海の向こうの見たことのない世界  ~南米編~

これまでに訪れた国の中でインパクト大のベスト3に入る国。そのひとつがペルー。
ペルーも学生の時、卒業前に友人と計画して訪れ、今でもその体験が深く印象に残っています。

その時はペルーからボリビアへ移動し、その後チリと3カ国訪れました。

まず日本から見ると地球のちょうど真裏。距離が遠く直行便がないため、アメリカ経由で10時間+10時間の計20時間かけて到着します。私も友人も大の飛行機好きなので、20時間終えてようやく到着するという時にも「もう到着しちゃうのか」「まだまだいける」などと言っていて、今はさすがに20時間は長いと思ってしまうけど、そこは時間のたっぷりある学生ならでは笑。

ペルーの首都リマからさらにクスコへ移動し、真夜中に到着すると空港内の職員がタクシーやホテルの斡旋をしていて、しきりに声をかけられます。あまりにウルさいので、仕方なく案内されたタクシーに乗ったのですが、案の定わざと迷ったフリをされて遠回りしたり、到着する気配がないので「ここで降りる!」と言って無理やり降りてホテルを探して歩く羽目に。薄暗くオレンジの灯りがポツポツ点いているクスコの街は、ノスタルジックでなんとも言えない哀愁が漂う。既に標高は3300mほど。

3月でしたが、朝晩はとても寒い。安いユースホステルに泊まったのでエントランスはなぜか密閉性がない扉になっていてホール内には外気が流れこんできます。さらにシャワーブースもエントランスホールに近い場所にあり、そこも外気が入ってくるので寒い。ドライヤーなどもないので濡れた髪のまま寒さに震えてベッドに潜り込みました。それでも友人と3人だったのでワクワクしてとても楽しくて。

街では日に焼けたおばさん達が市場のような地元のマーケットでポテトを売っています。
他にも野菜は売っていたけれど、他の国のような色鮮やかでフレッシュな印象はない。高地なので採れるものは限られているし、地下にできるものが基本なのでしょう。地元の小さなレストランに入るとイタリアンのようなメニューが並んでいて、確か濃厚なソースのフェットチーネを食べたのを覚えています。笑顔の素敵なお兄さんがサーブしてくれ、言葉が通じないながらも初日の気持ち良いランチタイムを過ごしました。

翌日は早朝から登山列車に乗り、マチュピチュへ。この列車がとても風情ある内装で、それなりの値段がするのですが、木製のボックス席で食事付き。簡素なものでしたが、ぐんぐん登っていく山の景色を眺めながらのパンやフルーツ、チーズの食事は最高に美味しくて、車内に流れる「コンドルは飛んでいく」を聴きながら何だかとても不思議な気持ちになりました。いつも小学校の掃除の時間に流れていたので、妙にその時の風景がシンクロしてしまい、「いやいやこっちが本物だよね」と笑

登山列車の最終地点を降りてからはマチュピチュを目指し、登山バスに乗り換えます。くねくねと急カーブと急勾配の道を上っていくバス。マチュピチュは標高2400mほどなのでクスコより低いのですが、元気な私達は一人もずっと高山病にもならず食欲も旺盛で普段通り過ごしていました。翌日までは。。。

15世紀の時代の古代遺跡の街に降り立った時は、寒気がするほどの感動でした。遺跡の間を見て回り500年も前に、こんなに標高の高い場所に人々が生活していたことを想像し、とても感慨深い気持ちに。

帰りのバスの道中では「グッバイ・ボーイ」と呼ばれる名物少年の声をずーっと聞くことになる。
少年は「グッバーイ」と叫びながら、山を直線距離で降りてくるのです。バスが山道を蛇行している間にすごいスピードで追いかけてきて、最終的にはバスが目的地に到着すると乗客からチップを回収。そんな仕事があるんだ!と衝撃でした。なんでも仕事にするというか。たくましくて素晴らしい。

その後、クスコから隣国ボリビアへ移動する手段として夜行バスを選んだ私たち。16時間の旅も見知らぬ国で初めての経験なのでワクワク。ただバスは日本の夜行バスのように綺麗ではなく、後方にトイレがついていますが、その匂いが車内に充満していて決して快適な空間とはいえなかった。隣席にはキリストのような髪ボサボサで痩せたおじさん。夜21時ごろに出発し、途中何度も休憩しながら翌日夕方にボリビアのラパスへ到着。


車中ほとんど寝ていた私は起きるとひどい頭痛がしていることに気づきます。普段から寝すぎるとよく頭痛がしていたので、大して気にとめていなかったのですが、ホテルにチェックインした後も頭痛はおさまるどころか、ひどい吐き気もしてきて、バファリンを飲んでも収まらず、針がとんでくるような痛み。シャワーを浴びるのもやっとで、もちろん夕食もほとんど食べれません。

大分あとで気づいたのですが(遅すぎですが)あれが高山病だったのかと。それまで富士山に登っても高山病になったことはなかったので、まさか自分がなるとは全く考えていなかったのです。それに友人2人はびくともせず至って元気。吐き気をもよおす私の前で美味しそうにアルパカの肉とフライドポテトを食べていました。。寝ている間は呼吸が浅くなるので酸素不足になり、普段よりも高山病になりやすいそうです。知らなかった。。。身体的には快適とはいえないバスの旅でしたが、途中、バスを降りて渡し船で川を超えたり、バスを降りて徒歩で国境を超えたり、日本国内ではありえないシチュエーションにワクワクハラハラしながら旅は進みます。

翌日目が醒めると昨晩の酷い頭痛と吐き気は嘘のように消え、そのままチリへ向かう飛行機に乗り込んだ私たちは、もう機内食が楽しみでそわそわし始めるのでした。(主要エアラインよりもマイナーな国内エアラインの方が機内食が個性的な気がする。その方が断然楽しい!)

(続編へ続く)

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